河原町通りを中心軸とした繁華街は、近年西へとシフトしてまいりました。 従来閑静とした職住共存地区には、次第に若者向け店舗が増加し、商業的には活況を呈しているように思われます。
しかし、その一方で規範意識の希薄な人間の流入により地域の環境は大きく変化しています。 商店街の壁やシャッターには落書き、張り紙が溢れ、路地裏まで埋め尽くされている様は目を覆うばかりです。
これらのれっきとした犯罪行為を放置することは美化の問題に止まらず、犯罪者からはこの地域の人たちは防犯に無関心であると思い込ませる結果となっています。
アメリカの犯罪社会学者ジョージ・ケリング博士は、些細な犯罪から凶悪な犯罪へとエスカレートしていく現象を「割れ窓理論」として提唱しました。
それによると、割られた空き家の1枚の窓ガラスをそのまま放置するとすぐに2枚目が割られ、次々と拡大し、やがて内部にも侵入し次なる凶悪犯罪を発生させるという理論です。
凶悪犯罪の多発に苦悩するニューヨークがジュリアーニ市長の「割れ窓理論」の実践によって奇跡的復興をなしえたのは有名な話であります。
以前大阪アメリカ村も犯罪に悩んでいました。暴力・麻薬が蔓延し今では一般市民には安心して足を踏み入れられない地域と化していました。
これを私たちは対岸の火事と見過さず、自分たちの問題として考えねばならないのです。
国際観光都市、日本の顔、心のふるさととしての京都であり続けるためには「安全と安心」が大前提であることは言うまでもありません。
今私たちは手遅れ無きよう行動することが急務となっております。今回のプロジェクトは落書き、はり紙を一挙に一掃しようというものです。
地域住民の方々と京・輝き隊をはじめとする学生ボランティア集団、その他各種ボランティア団体による大連合にて当たらねば到底なしえるものではありません。
なにとぞ今回の趣旨をご理解いただき、あなたの家の落書きを消させていただきたく思う次第でございます。賛同ご協力賜りますようお願い申し上げます。
京都割れ窓理論実践委員会